1億総活躍プランの効果は?日本と外国の奨学金事情について。

2016月5月末、政府が正式決定する「1億総活躍プラン」に、大学生らを対象として、返済が不要となる「給付型奨学金」の創設が明記されることになりました。

 

私のように留学を目指す人にとっては、この上ない朗報です^^

対象は大学生ということなので、私は社会人になってしまったため受給できるか分かりませんが。笑

 

私自身、学生時代に留学を諦めた理由が、留学にかかる費用が高いことでした。

すでに短大で奨学金(貸与型、有利子)を借りており、また親からもこれ以上学費は出せられないと言われていたため、これ以上奨学金を借りれば、卒業後には毎月かなりの額を返済していかなければならないと思うと、どうしても留学には踏み込めませんでした。

そのため、まずは社会人として働き、自分で資金を作ってからチャレンジしようと思ったものです。

 

私のように、金銭的な理由によって留学を諦めた方も本当にたくさんいらっしゃると思うので、これをきっかけにそれぞれの夢や目標にチャレンジする方が増えることを祈ります。

 

1億総活躍プランとは?

2015年10月に発足した第3次安倍晋三改造内閣の目玉プラン。

アベノミクスの第2ステージ」と位置付け、「一億総活躍社会」を目指すと宣言しました。

少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持し、家庭・職場・地域で誰もが活躍できる社会を目指すというものです。

現在の日本では、大学生の2人に1人が何らかの奨学金を受けているそうです。

これまでは、「年末の予算編成で判断する」としていましたが、参院選を前に与党内から「創設に向けて踏み込んだ書き方をすべき」との声が強まったため、最終的に「創設に向けて検討する」との文言が入ることになりました。

 

 

私は短大の学費は奨学金を借りたと書きましたが、後で返済しなければならいのを知ったのは、奨学金の申し込みを済ませたあとでした。

何かのきっかけでその事実を知り、家に帰って母親に確認してみると、「知らなかったの?」と。まさに青天の霹靂。

当時まだ18歳だった私にとって、これから借りる100万円単位のお金を、いずれは自分で返済しなければならない現実は、ただただ衝撃でした。

 

しかも、有利子だと利息がけっこう高いのですよね。

 

母親は、よく「奨学金ではなくて、学生ローンじゃない」と言うのですが、まさに奨学金という名の借金!

しかもこのご時世、就職状況も悪化しているので、卒業後の返済が滞っている方も少なくないようです。

 

良い国、良い社会を作るためには良い人材が必要で、良い人材を育成するためには教育、教養が必要です。

しかし、日本は国内総生産(GDP)に占める高等教育費の割合が0.5%と、他の先進国に比べて半分ほどの低さです。

少子化が進んでゆく日本ですが、目先のことやモノだけではなく、「教育」にももっと目を向けられれば、直面している問題にも対処していけるのではと思います。

 

各国の奨学金事情

日本では懸念されている奨学金事情ですが、他の国はどうなのでしょうか。

主に留学先として人気のある国々を見てみましょう。

 

 アメリカ

アメリカ大学と日本の大学の奨学金の違いは、一言でいうと

 

返済義務の有無

 

です。

 

 

基本的に海外の奨学金制度は「scholarships(給付奨学金)」と呼ばれ、返済義務はありません。

一方、日本の奨学金は「student loans(貸与奨学金)」と呼ばれ、返済義務があります。

 

アメリカの大学は、そのほとんどの授業料が毎年高くなり続けていて、一般人では払うのはかなり厳しくなっているのが現状です。

また、大学によっては(特に州立大学など)留学生用の奨学金が出ない大学もあるようです。

しかし、それでもscholarships(給付奨学金)制度を取り入れている大学は多く存在していますので、どの学校にどのような制度があるのか、調べてみることをおすすめします。

 

アメリカの奨学金は「scholarships(給付奨学金)」を基本としているのですが、学業成績、エッセイ、課外活動、推薦状、英語能力テスト(TOEFLなど)、面接などで決定します。

こうした奨学金受給のチャンスにチャレンジすることで、毎年上がり続けている中でも、授業料全額、半額または一部を免除してもらうことができます。

 

こうしたことから、アメリカは勉学に意欲のある人には、いくらでもチャンスを与えてくれます。

 

聞いた話によると、とある大学の入学試験を受けた女性が、入学審査の結果、不合格になりました。

すると彼女は審査員へ、いかに自分が入学に値するのか、入学することでどんなメリットがあるのかを説得しました。すると、審査員の方は彼女の熱意と可能性にかけて合格にしたエピソードもあります。

 

このようにアメリカは、意欲と熱意があれば誰でも勉強するチャンスを与えてくれます。 場合によっては、日本の都市の大学に通いながら一人暮らしをするよりも、負担は少なく済む場合もあるようです。

 

 

イギリス

イギリスの大学学部と大学院のコースは、一般に他の国よりも短く設定されています。 大学だと3年間、大学院だと1年間なので、授業料や生活費を安く抑えられます。

 

しかし、日本人がイギリスの大学に入学するためには、入学する前にファウンデーション・コース(Foundation Course)といわれる大学進学準備コースを経由することが一般的です。

これは、学部課程の授業についていくために必要となるスキルを学ぶためのコースです。

ここでは、学部課程の授業についていくために必要となるアカデミック英語やスタディ・スキル、専門科目を学びます。

 

また、EU/EEA(欧州連合/欧州経済地域)の地域の学生なのか、イギリスのどこで学ぶか(イギリス、ウェールズ北アイルランドスコットランド)、学部で学ぶか大学院で学ぶかを含む要素によって大きく異なってきます。 EU/EEAからの学部生であれば、授業料の最大額が決められています(大抵の学校では、これよりも少なくて済むようです) イングランドウェールズ:年間最高9,000ポンド 北アイルランド:年間最高3,575ポンド スコットランド:無料 EA/EEA地域外の学生なら、各コースによって授業料が異なります。 給付型の奨学金も存在しているのですが、正直競争率は高めです。
優秀な成績を残したり、IELTSで高いスコアを取るなどすればチャンスはあるかと思います。

ちなみに2010年には、イギリスの大学の授業料が3倍の£9000(約145万円)になったことでニュースになりました(1£=161円 2016/5/28現在)。

しかし、これは対象とするのは本国イギリス人の学生ですので、日本人留学生は適用されません。
EU/EEA(欧州連合/欧州経済地域)地域外である日本人留学生では、£6,250~£10,000ほど。 学部によってもだいぶ違ってきますし、変動するものなので、大学のHPなどで確認した方が良いと思います。

多くの国を対象にしたグローバルな奨学金制度には、 ・英国政府のチーヴニング奨学金、 ・ 英連邦奨学金エラスムス奨学金 ・ 王立協会奨学金 などがあります。

 

 

英語圏外編

イギリスやヨーロッパには大学教育無料の国が多くあります。

最近では有料化されつつありますが、それでもまだかなり安いです。

詳細は下記の通り。

イギリスやヨーロッパの各国では、大学は将来の国を担うエリートを育てる機関という考え方が根本にあるため、その人材育成に税金を使って投資しているのだと思います。

 

そういう背景があるので、学費は日本と比べて安いのですね。

 

 

フランス

・EU圏以外の学生の学費/登録料 (年間):€180(約¥22,055円)

・国公立校:無料

(ただし別途登録料などで課程・専攻などにより学士181~博士380ユーロ以上/年が必要)

グランゼコール、専門学校:約500~9,000ユーロ/年 

 または学校・専攻によりそれ以上 (JASSO)

 

ベルギー

・EU圏以外の学生の学費/登録料 (年間):€1,900

・学費は€1,900から€3,850までプログラムや大学による。

 

イタリア

・EU圏以外の学生の学費/登録料 (年間):€850

・イタリアの私立大学の学費は年間200万円近くかかるところもあるが、公立大学は年間約10万円から13万円ちかくで収まるところもある。

 

 

ノルウェー

博士、修士、学士どのレベルに関わらず、さらには国籍にもかかわらず学費は無料。

実際には、学期手数料を半期ごとに払うらしいのですが、その額500NOK (約6,611円 2015年5月現在)のみ。

しかもこの手数料には学生福利料も含まれているので、大学の保健サービスやカウンセル、運動・文化的活動施設などが利用できるようになるそうです。

就労も週に最大で20時間まで許されているようですよ!

 

 

 

 

いろいろな国の紹介をしましたが、一番大切なのは、自分が何を学びたいのかということです。

学ぶ分野、授業料、環境などを検討して、自分に合った留学ができることを願います。